MORIOKA NPO LIFE

ぺんちゃんのNPOコラム vol.12010.07.25

信頼の基盤

  団体を運営していると避けられないのが、会計だ。NPO法人の会計については、行政から公益法人の会計基準に沿った雛型がだされているが、法律で規定された会計基準はなく、正しく記載されていれば様式等は自由裁量に任されている。

 ある意味、団体が自分達の規模や活動内容にあわせて自由に会計方法を選べるというのは便利といえば便利なのだが、いろいろなやり方があるので比べるのも難しく、相談をしても相談者を戸惑わせてしまうこともしばしばだ。また、雛形が公益法人会計をベースにしているため、企業会計をベースに会計指導を行っている税理士・会計士さんの支援を受けにくいという指摘もされてきた。多くのNPO会計担当者はなれない会計を前に、相談できる人も少なく苦労してきたのが現実だ。

 でも実はNPOにとって会計報告はとても大事な業務の一つ。NPO法人制度は情報公開による市民の監視を理念に作られた制度であり、他の法人と比べても、高い情報公開が義務づけられている。その公開された会計情報を見て、誰も内容がつかめないのでは意味がない。ましてや、NPOは多くの支援者に支えられて活動し、継続が可能になる。支援をしてくれた方々に、あなたの支援はこんな活動にこんな風に使い、これだけの成果が上がりましたと報告する義務もあるし、その報告が理解でき納得できて初めて次の支援があるのだ。だとしたら、その報告の中で、どんな風にお金が使われたのかわからなければ、信頼を生んでいくことは難しい!

 そこで、登場したのが、NPO法人会計基準協議会だ。税理士、会計士、NPO関係者といった人達が力を合わせ、NPOにとって使いやすい会計基準を、力を合わせて作り、みんなで使っていくことで、使いやすいわかりやすいNPOの会計制度を作っていこうと、6月の完成に向け話し合いを重ねているそうだ。

 NPOの世界では、問題や課題を見つけた人が声を上げ、共感した人達がそれに協力し、その課題を解決するための行動を起こし、共感の輪を広げながら解決を図っていく。会計問題にたいしてもまさにNPOらしい取り組みが展開している。この様子に、NPOが持つ大きな可能性を再認識している。できることは、山のようにある!

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もりおか市民活動支援室 通信vol.5 掲載コラムより